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2012年3月

2012年3月24日 (土)

マスコミスライムの作り方


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先週3月15日米韓FTAが発効になったが、その際のテレビニュース、オレが観たところではNHKもテレビ朝日も一応韓国国内でいまだ抗議運動が根強い事を紹介してはいたが、その論調は従来の「農業関係者を中心に・・・」というものの延長であったし、テレビ東京はそれすら無しに「国際社会は韓国をうらやましがっている」という李明博大統領の談話を報じていた。

そのなかでも『報道ステーション』の古館伊知郎の弁はやはりふるっていた。

昨年11月のハワイAPEC直前時にはあれほどTPPについて国内議論したのに、喉元過ぎれば熱さを忘れるというのが日本人の悪癖なのか、われわれマスコミも反省しなければならないが、これからもこの問題については継続して注視していかなければならないですね云々。

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昨年秋、インターネットを発火点にまさに白熱したTPP論議が国内で沸騰していたさなか、街頭の抗議集会や与党内検討会議の動向を坦々と伝えるのみで、TPPそのものの内容についてはひたすら沈黙するようだったのは、古舘も所属する当のマスメディアだったはずである。

「あれほどTPPについて議論したのに」というなかに勝手に自分達を含めるのはいかがなものか。しかも古館は野田首相が「TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入る」と表明した直後の放送でも、おそらく番組に抗議の電話が殺到していたのだろう、「今後わたしたちはTPPの詳しい内容についても皆様にお伝えしていきますから」と弁解風に述べていたのだが、その後『報道ステーション』で21項目あるというTPPの交渉分野の詳細、及びその問題点について触れていたことは、オレが観ていた限りでは只の一度もない。人間の「忘却」という特性に過度に期待して、喉元過ぎれば何とやら、と厚顔無恥に振舞っているのは誰なのか。

古館は最近放送された震災一周年の『報ステ』特番でも何か殊勝な事を述べていたようだが、本気で「原発村」に食い込んでいく気概があるのなら、九州電力のやらせメール問題で第三者委員会の調査報告書が古川佐賀県知事の関与を指摘した時に、何故もっと激しく知事の責任を追及しなかったのか?と言いたい。アソコを切り崩せていたら、この国の統治機構全体に根を張っている「原子力村」にはそれこそ大きな打撃だった筈である。

「原発村」に挑むということは、何よりも先ずいままでの権力装置としての己自身の在り方を、視聴者の眼の前で猛省するということだ。それ無しにいくら格好のいい事を言っても、単なる都合のいい自己保身と見做されてもしょうがないだろう。

オレとしてはこの“上げ底肉”のようなドーラン塗り過ぎ口先男が毎晩テレビ画面に出てくることは、子供の教育上非常によろしくないというのが従来からの判断であり、それを変更する理由は今のところ無い。



韓国のFTA反対運動では、FTAの絡みだけではないのかも知れないが、大手通信社とテレビ局の労働組合員ストライキにまで展開しているようだ。これも日本のマスコミは一切報道していないので、詳細はよく分からない。日本農業新聞の記事が伝えているのみである。22日になってMSN産経ニュースがようやくこの件を報じたが、FTAには一切触れず“伝統的な”政治主義運動と断じている。



米韓FTA反対派 廃止訴え闘争突入 報道労組 ストで同調 韓国
(日本農業新聞03月16日)

 米国との自由貿易協定(FTA)発効を受け、韓国の野党や韓米FTA阻止汎国民運動本部(阻止本部)は15日、ソウル中心部の光化門広場で記者会見を開き、米韓FTA廃止の闘争に突入すると宣言した。4月の総選挙、12月の大統領選挙を控え、中長期的に闘争運動を続ける構えだ。大手メディア労働組合員の無制限ストライキも加わり、運動は一層激化しそうだ。

 阻止本部は「(米韓FTAは)通商条約ではない。投資家・国家訴訟(ISD)条項など公共政策や国家主権を侵害する屈辱的な条約だ」と強く批判し、「廃止闘争に突入する」と宣言。米韓FTAの阻止闘争は2006年から始まり、すでに7年目を迎える。

 闘争運動では15日、ソウル繁華街で米韓FTA廃止ろうそくデモを開催。16日は、大手テレビ局などの労働組合が主催するコンサートで米韓FTA廃止を訴える。25日は野党支持者を中心とする進歩陣営大衆大会を開く。4月の総選挙、12月の大統領選挙に向け、与党候補者の落選運動を展開する。

 また、「不公正な報道をやめろ」をスローガンに通信社最大手の聯合ニュースと大手テレビ局KBS、MBC、YTN、国民日報の計5社の労働組合員が無制限ストライキに入った。大統領や与党が選出した社長が、政府・与党寄りの報道をするよう社員に圧力をかけたことが背景にある。

 特にMBCの場合、事実に基づき米韓FTA番組を制作したが、政府・与党の意向に反するとして放送中止となった。各社とも組合員以外で放送や新聞発行を続けるが、厳しい状況だ。

・韓国の反対 日本にも影響 農水副大臣

 農水省の筒井信隆副大臣は15日の会見で、同日発効した米韓FTAについて「(日本国内の)TPPの国民的議論の際に、韓国の経験が参考になる。(TPP交渉参加を)慎重に考えていかなければならない、という方向で影響が出るだろう」と述べた。 (転載了)





岩上安身氏が3月19日の文化放送『夕やけ寺ちゃん活動中』でこの問題に言及している。

UStream動画
(9分過ぎから・・・小沢裁判捜査報告書捏造問題について)
(34分過ぎから・・・米韓FTA、TPPについて)


韓国のテレビ局の社員は、以前にも新聞社や大企業の地上波放送局の株式所有を認めるメディア関連法案修正案に反対してストライキするなど、ストライキは度々発生しているようだが、社会の木槌たるジャーナリストとしての自負において、日本のクズマスコミよりはかなりマシなようである。



[ニュースアイ] TPP高まる危機感 各党議論を本格化 政府説明根拠崩れる
(日本農業新聞3月16日

 環太平洋連携協定(TPP)交渉参加問題をめぐり、民主、自民両党をはじめとする各党が議論を本格化、対処方針の提示などに乗り出した。交渉参加国は「90~95%の品目の関税即時撤廃、残る関税も7年以内の段階的撤廃」などの考えを示し、「交渉次第で例外を確保できる」とする政府の主張の根拠が崩れてきたためだ。「高過ぎるハードルの実態」(与党幹部)が明らかになるにつれ、交渉参加に慎重、反対の声が与野党で広がりそうだ。

 「医療(保険制度)について言えば、今の政府からの情報はうそだ」。民主党の櫻井充・経済連携プロジェクトチーム(PT)座長代理は、JAグループが13日に東京都内で開いた「TPP交渉参加断固阻止全国要請集会」の各党討論会で語気を強めてこう述べ、政府に情報開示の改善を求めたことを明らかにした。

 政府はこれまで「TPPで公的医療保険制度の廃止は議論されていない」との説明を繰り返してきた。しかし、米国は2001年から始めた規制見直しの対日要求の「年次改革要望書」で、病院の株式会社化の認可などを求めてきた。櫻井座長代理の怒りの背景には「過去の経緯を踏まえず、交渉参加に都合が良いような情報だけを示す政府姿勢への疑問」(民主党幹部)がある。

 その端的な事例が、「例外確保は交渉次第」との希望的観測を掲げてきた政府説明だ。政府は先週、米国を除く交渉参加8カ国との事前協議で得た情報を公表したが、関係国は例外品目を設けることに否定的で、厳しい情勢であることを認めざるを得なくなってきた。米韓FTA(自由貿易協定)で論争の焦点となっている投資家・国家訴訟(ISD)条項についての政府の説明もまだ不十分なままだ。

 こうした状況に野党も危機感を募らせる。自民党は「例外なき関税撤廃を前提とする交渉参加には反対」することを柱とする判断基準を作り、例外確保の見通しなどを国会などで厳しく問い質す方針だ。共産党や社民党は交渉参加に前のめりな政府姿勢を批判、対応方針を決めていない公明党も慎重姿勢を強め始めている。

 政府は来週、民主党の経済連携PTで、TPPで対象となっている医療や食の安全を含めた21分野全体の交渉状況を明らかにする予定だ。「不都合な真実も含めて情報開示と国民的な議論をどこまで徹底できるのか」(自民党農林幹部)。政府の姿勢があらためて問われることになる。

・大枠合意へ急ぐ米国 今後の予定と課題

 11月に大統領選を控えたオバマ政権は、5、7月のTPP交渉で大枠の合意を得ようと、交渉参加国との協議を急いでいる。5月の第12回交渉会合は米国テキサス州のダラスで行い、7月の第13回交渉会合は米国内かニュージーランドで開く予定だ。

 交渉を急ぐ米国の狙いは(1)米国に都合のいい貿易ルールの大枠を早期に固めることで、選挙の資金源である大企業にアピールすること(2)日本などが新たに交渉に参加する場合に合意内容を丸のみさせること――とみられる。交渉参加国の間では「新規の交渉参加国は9カ国が合意した貿易ルールを変えることはできない」との共通認識がある。今後、日本が交渉に参加してもルール作りに参加できる余地は少ない。

 また日本などが途中参加することで交渉が長引いたり、TPPの自由化レベルが下がったりすることを嫌う交渉参加国は多い。日豪経済連携協定(EPA)交渉で日本が農業の重要品目の自由化を認めないことから、オーストラリアは日本の交渉参加に同意していない。

・関税撤廃 7年以内

 TPP交渉参加国が目指す自由化レベルは下がるどころか、高まっている。政府は今月上旬、交渉参加国との事前協議で「全品目の90~95%の関税を即時撤廃し、残る関税も7年以内に段階的に撤廃すべきとの考えを支持する国が多数ある」ことを明らかにした。

 重要品目の関税撤廃は10年以内に行うことが原則だったが、関税撤廃までの期間は交渉を通じて短くなっている。外務省幹部は「重要品目の関税撤廃は最終的には交渉次第」などと例外が認められる可能性を示唆しているが、TPP交渉の現実を踏まえない希望的観測でしかない。この他、米国が9月までに大枠合意を目指す貿易ルールに盛り込む可能性が高いものとして、外国の企業が投資先の政府を訴えることができるISD条項、薬価を引き上げる要因となる知的財産保護の拡大、日本郵政の保険事業に制約を課す国営企業の規律、漁業補助金の廃止などが考えられる。

 野田佳彦首相は5月の大型連休にワシントンを訪れたい意向だ。さらに同18日からは主要8カ国(G8)首脳会議も米国で開かれ、日米首脳会談を行う機会となる。その際に万が一、野田首相が正式に交渉参加を決断したと表明すれば、それは米国の法外な要求や、国益に沿わないTPP交渉の合意内容を丸のみすることを意味する。

Tpp
(転載了)



米韓FTA 現地で問題点確認 岩手県の訪韓調査団 識者20人と意見交換
(日本農業新聞03月22日)

 岩手県のJAグループや県生協連などでつくる米韓自由貿易協定(FTA)の訪韓調査団が21日、韓国での4日間の調査活動を終えた。同FTAに反対する生協や農協、市民団体の他、20人近い識者らと意見を交換し、15日に発効された同FTAの問題点を確認した。

 通商条例に詳しい宋基昊弁護士は、韓国が米国とのFTA交渉に入るための先決条件として、牛肉や自動車、薬価などの自由化を受け入れたことを問題視。交渉前に大きく譲歩したため、少しでも挽回しようとして FTA交渉から抜け出せなくなり、結果的に一層の自由化を受け入れてしまったと、敗因を分析した。

 意見交換では、韓国政府がFTAの本質が国の主権を脅かす危険な点を国民に知らせることなく、発効に至ったとの報告を受けた。TPP参加に前のめりな姿勢を崩さない日本政府について「状況が同じ」との指摘も相次いだ。

 調査団の副団長を務めるJA岩手県中央会の高橋専太郎副会長は「日本はTPPで例外品目をどうするかではなく、参加する前に阻止することが極めて重要になる」と一層の警戒感を募らせた。

 米韓FTAに盛り込まれた投資家・国家訴訟(ISD)条項では、韓国の識者が学校給食を例に説明。米国企業に提訴されれば、自治体が地元の安全な農産物を提供することができなくなり、地産地消が崩れる可能性が高い。医療の自由化や郵政事業の制限など公共性の高いサービスも悪影響を受けることを確認した。

 調査団長を務める岩手県生協連の加藤善正会長は「TPPを農業だけの問題にとどめず、消費者の暮らしが脅かされることを正確に伝え、地方から反対運動を盛り上げる必要がある」と訴えた。

 調査団には「TPP等と食料・農林水産業・地域経済を考える岩手県民会議」に加盟する県内51団体の代表ら22人が参加した。 (転載了)





こういうものが学校給食に出てくることになるのかね。


          ↓


「ピンクスライム」肉、米農務省は給食使用に太鼓判 ロイター3月12日

[ワシントン 9日 ロイター] 米農務省(USDA)は、通称「ピンクスライム」と呼ばれることもあるアンモニア水で防腐処理された加工肉について、学校給食で使用されるに当たっても安全性に問題はないとの見解を示した。

オンライン新聞のザ・デーリーは先に、水酸化アンモニウムで一部防腐処理された牛肉3200トンが今春に学校給食として出されると報じていた。

米農務省は声明で「USDAが購入する牛ひき肉はすべて、最高の食品安全基準を満たさなくてはならない」と指摘。牛ひき肉の安全基準は過去数年でさらに厳格化しており、「われわれが安全に自信を持つ肉しか市場には流通していない」と説明した。

ピンクスライム肉をめぐっては、有名シェフのジェイミー・オリバー氏らが問題を取り上げたのがきっかけで、消費者の間でも注目されるようになった。米ファストフード大手のマクドナルドは先に、USDA認可済みのアンモニウム処理肉のハンバーガーへの使用を中止している。

一方、USDAと学校当局は、学校給食に使う肉として、サウスダコタ州のビーフプロダクツ・インク(BPI)から、「上質赤身加工牛肉」に分類される同加工肉の購入を計画している。USDAによると、全米学校給食プログラムとして買い上げる牛ひき肉5.1万トンのうち、BPIの製品は約6.5%を占めるという。


Kuzunikuslime


マスコミスライム、もといピンクスライムの作り方(動画有り)

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2012年3月21日 (水)

小沢裁判-裁かれるのは日本の民主主義

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裁かれるのは日本の民主主義
田中良紹の「国会探検」 3月20日より転載


 検察審査会から強制起訴された小沢一郎氏の裁判が結審した。来月26日に判決が言い渡される。裁判の過程で浮き彫りになったのは検察の犯罪的な捜査手法である。検察は思い込みから小沢氏の裏金捜査を始めたが、不都合な証拠は隠し、都合の良い証拠だけをメディアに流して国民に「小沢クロ」の心証を与え、それでも起訴が出来ないと検察審査会に嘘の証拠を示して起訴に導いた。

 証拠を改竄する権力がこの国に存在する事を裁判は明らかにした。普通の国なら民主主義に対する冒涜だと国民やメディアが騒ぐところである。強制力を持つ捜査機関が暴走する事を民主主義社会は許さない。国民はそのために代表を選んで立法府に送り込み、行政権力や司法権力を監視させるのである。ところがこの国はまるで違う。

 国民から選ばれた代表を「巨悪」(ということは国民は巨悪なのだ)、それを摘発する検察を「正義」と考えるマインドコントロールに冒され、国民は民主主義とは真逆の論理を信じ込んでいる。だからこれほどの問題が分かってもメディアは不感症でいられる。証拠改竄をした検察を「民主主義の敵」と言わずに不心得者がいるという程度に非難する。

 そのくせ小沢氏には「庶民感覚から外れた金銭感覚」とか「道義的責任」とか的外れな批判を欠かさない。そもそも今回の事件で問われている罪は普通の民主主義国なら問題にされない微々たるものである。政治資金収支報告書に間違いがあったとすれば、会計責任者が訂正を求められるだけで、犯罪になどならない。

 ところが検察は小沢氏がゼネコンから裏金を受け取っていると思い込み、叩けば必ずほこりが出ると信じて捜査を始めた。そして政治資金収支報告書の「期ズレ」が見つかり、それが裏金疑惑につながると思い込んだ。ところが捜査をしても裏金の証拠が出てこない。この2年間、常に追い詰められていたのは検察である。

 裁判に持ち込めば大恥をかくだけで不起訴にするしかないのだが、「馬鹿メディア」を煽って国民に「小沢=巨悪」を信じ込ませたから、振り上げた拳を下ろせない。そこで素人集団の検察審査会に嘘の証拠を出して起訴させる事にした。無罪になったとしても自分たちの失点にならない方法はそれしかない。ところがその裁判で特捜部の犯罪性が露見したのだからお粗末である。

 東京地検特捜部が生まれて初めて政界汚職に切り込んだのは1954年の造船疑獄事件である。日本の造船・海運業界が自由党幹事長佐藤栄作氏に贈賄していた事が分かり、特捜部は逮捕しようとした。ところが犬養法務大臣の指揮権発動に阻まれて涙を飲んだ。それがこれまで語られてきた定説である。

 ところが真相はまるで逆であった。検察幹部が政治家に頼んで「指揮権発動」をしてもらったのである。最近では複数の検察関係者がその事を認めている。しかし当時何も知らない国民は「政治が悪」で「検察は被害者」と信じ込んだ。そこから「政治家=巨悪」、「検察=正義」のイメージ作りとマインドコントロールが始まる。

 真相はこうである。犬養法務大臣は指揮権発動に反対で辞表を出して抵抗した。それを慰留して指揮権発動させたのは緒方竹虎副総理である。緒方氏は国民から「クリーンな政治家」と見られていたが、検察の捜査が拡大すれば自身に及ぶ恐れがあった。またアメリカのCIAが吉田総理に見切りをつけ、緒方氏を後継総理にしようとしていた。そのため緒方氏は法務大臣に指揮権発動をさせて事件の拡大を防ぎ、また国民世論を反発させて吉田政権に打撃を与える必要があった。

 緒方氏に指揮権発動の知恵をつけたのは検察自身である。検察は疑獄捜査に着手して盛り上がる国民世論に実は困っていた。裁判を維持できる証拠がないため裁判に持ち込めない。そこで事件を担当していた検察幹部が緒方副総理に耳打ちをした。政治の圧力で事件が潰れれば検察は大恥をかかなくて済むどころか国民から同情され、捜査の内実を隠せば政治の世界からも喜ばれる。一石二鳥であった。

 狙い通りに国民世論は指揮権発動に反発し、犬養法務大臣は辞任、吉田内閣もその年のうちに総辞職した。こうして検察は「巨悪に切り込む正義の味方」を演ずるようになるが、実態はこれも全く違う。緒方副総理に指揮権発動の知恵をつけた検察幹部は検察トップに上り詰め、造船疑獄で被疑者であった佐藤栄作氏と密接な関係を築く。それ以来、特捜部は次々に政界捜査に乗り出すのだが、摘発されるのは佐藤栄作氏のライバルの池田勇人氏や河野太郎氏の派閥の議員ばかりだった。つまり佐藤長期政権が可能になったのは、佐藤氏に対する自民党内の脅威を検察が力で取り除いてくれたからであった。

 特捜部捜査の原点はここにある。誕生以来、常に一方の政治勢力と手を組んで自らの地位を守り、政治と裏取引をしながら、国民には「巨悪に挑戦する正義」として振る舞ってきた。それを終始支えてきたのが民主主義の原理を理解する能力のないメディアである。わずかな情報のエサに釣られて簡単に権力の走狗となってきた。そして情けないのは政治家も検察権力に迎合する事が自らを守る第一と考え、数々のでっち上げ捜査に口をつぐんできた事である。

 今回の裁判で裁かれるのはそうした日本の体制である。小沢一郎氏が有罪になろうが無罪になろうが問題は終らない。有罪になれば民主主義に対する冒涜を許す日本の司法を徹底的に追及していかなければならない。無罪になれば、これまたこれまでの日本の体制を徹底解剖して問題点を除去していかなければならない。来月末に予定される判決は結論ではなく出発点なのである。

  (転載了)


裁かれ、淘汰されなければならない者のなかには、、以下の記事で新恭(あらたきょう)氏が言及しているような連中も、当然含まれる。


毎日「小沢真相解明されぬ空虚さ」記事の空虚さかげん
永田町異聞 3月20日より転載


社会部記者の陥りやすい病気は、情緒過多症である。その原因に、社会面特有の「雑観」記事があると思う。

大きなニュースの場合、出来事をストレートに伝える「本記」を一面トップへ、その場にいる人々の表情や行動、発した言葉などをつないで読み物にする「雑観」を社会面へと書き分けることが多い。

どちらかといえば、筆力や観察眼を要するのは「雑観」のほうで、社会部記者の腕のふるいどころでもある。

もっとも、いまのように映像メディアが克明に現場の臨場感をお茶の間に運ぶ時代になると、活字の「雑観」は相対的に軽視されるのがあたりまえで、そのせいか社会面で「読ませる記事」に出逢うことは滅多にない。

そのくせ、事実より気分に流されて、少しも道理の通っていない記事は、せっせと量産される。まさに紙面を埋めることしか意味のないような記事が目白押しだ。

3月20日の毎日新聞朝刊「傍聴記:陸山会事件・小沢元代表公判 真相解明されぬ空虚さ」(社会部・和田武士)などは、記事そのものの「空虚さ」を感じさせる。

◇小沢元代表は審理の最後も、独自の司法批判で締めくくった。本来、裁判に期待されるのは「真相解明」だ。(中略)

強制起訴された元代表は「法廷で真実を述べる」とコメントし、一定の期待を持った。政界の実力者が進んで説明責任を果たすのであれば、この裁判に少なからず意義はある、と。

だが、元代表が初公判の意見陳述で述べたのは、検察と、元秘書3人を有罪とした判決への不満と不信だけだった。

今年1月の被告人質問…元代表の答えは「記憶にない」「知らない」「関わっていない」の繰り返し。…空虚だった。(中略)有権者の疑問は結局、解消されないままだ。

公判では、元秘書を取り調べた検事による「架空内容」の捜査報告書が検察審に送られていた問題も発覚。元代表側の防御術とあいまって、裁判の意義をかすませてしまったように思える。 ◇


裁判に期待されるのは「真相解明」だと和田記者は言う。では、「真相」とは何か。

裁判に期待するものというより、この場合、和田記者が期待すること、すなわち小沢氏が「関与」を認めるという状況が、和田記者にとっての「真相解明」なのではないのだろうか。

田代検事がウソの捜査報告書を書き、供述調書が信頼するに足らないものであったことがわかったが、これは真相ではないのだろうか。

こうした検察の犯罪的な捜査にもとづく捏造資料が、検察審査会に提出されたために、強制起訴という誤った判断がなされ、今回の裁判が行われた。

それが小沢裁判における唯一の実質であり、ほかはすべて、架空の物語についての「空虚な審理劇」にすぎなかった。

だから、もともと和田記者が言うような「裁判の意義」などはないのであり、「空虚だった」「意義がかすんだ」というのは単なる幻想である。

小沢氏が「記憶にない」「知らない」「関わっていない」と繰り返すのは当然であり、それこそが真相であろう。

ことのついでに、毎日新聞の社説も、同じく「空虚」な思考を展開しているので、取り上げておこう。その後半部分。

◇元代表は「政治資金収支報告書は一度も見たことがない」と被告人質問で言い切った。「政治資金の収支を全部オープンにしているのは私だけ」と折に触れ繰り返していた発言は何だったのか。また、必要性に疑問符がつく4億円の銀行融資の書類に署名した点について「何の疑問も感じなかった」と述べた。一般人とはほど遠い金銭感覚は他にも随所でみられた。◇


まず、小沢氏の「収支報告書を見たことがない」と、「収支を全部オープンにしている」という発言が、いかにも矛盾しているように書いているが、筆者には全く次元の違う話だと思える。

収支報告書の作成は秘書に任せ、目を通すことがなくとも、できあがったそれをオープンにするのは積極的にやりたいというわけである。べつに異常なことではないだろう。

人には色々なタイプがあって、なにごとにつけ細かくチェックする小うるさい政治家も数多い。それは秘書泣かせというものだ。信用され、任せられたら人はがんばるし、成長もする。

それに、4億円はわれわれにとっては一生お目にかかれない大金だが、「一般人とはほど遠い金銭感覚」を必ずしも悪いことといえるかどうか。小沢氏が一般人であるよう望むことにどれほどの意味があろう。

2010年12月1日の当ブログで筆者は「干天の慈雨となった小沢資金」という記事を書いた。以下は、その一部。

◇一昨年の9月24日、選挙の顔として麻生太郎氏が首相の座に就き、いよいよ衆院解散と思われていたころ、小泉純一郎氏は高まる総選挙ムードに水を差すように、こう言った。

「解散をちらつかせながら任期いっぱいまでやったら民主党は資金が底をつくだろうな」

野党の乏しい懐具合を見透かした不敵な発言だった。

勝てる自信が持てない麻生は、リーマンショック後の経済対策を口実に解散を先送りし、結果的には小泉の言ったとおり、任期まぎわまで政権に居座り続けた。

候補者たちは、ぶら下がったままの「解散ニンジン」をにらみながら、一年近く走らされたため、選挙本番を前に、資金面の体力が消耗しきっていたことは間違いない。

政権交代に心がはやる民主党は、選挙資金の捻出にさぞかし苦労したことだろう。

党の資金が乏しければ、多くの支持者から献金を集められる実力政治家が一肌脱ぐしかない。

小沢一郎氏の資金管理団体「陸山会」は、昨年7月の衆院解散から8月の総選挙公示までに、民主党の立候補予定者91人に、一人当たり200~500万円、総額4億4900万円を寄付していた。

昨日公開された09年の政治資金収支報告書でわかったものだが、候補者にしてみれば、干天の慈雨のごとき資金だったことだろう。◇

「一般人とはほど遠い金銭感覚」の持ち主がいたからこそ、ジバン、カンバン、カバンのない新人候補でも多数当選し、歴史的な政権交代につながったのである。

  (転載了)


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