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2012年2月

2012年2月25日 (土)

渋谷区神南二丁目の夕日


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つい先月の公判における被告人質問時にも「政治家失格は明らかだ」などと常軌を逸した小沢氏個人攻撃の社説を書いていた朝日新聞が、一転2月17日の公判で田代検事らの作成した元秘書調書の主要部分のほとんどが「強力な利益誘導があり、虚偽供述に導く危険性の高い取り調べだった」「供述内容に基づかずに一方的に作成したとうかがわれる。違法不当で許容できない」などとして証拠不採用となり、しかも「圧力をかける取り調べは、個人的なものではなく、組織的なものだったと疑われる」として、検察の組織ぐるみの巨大犯罪の可能性まで示唆されるやいなや、

三年近くもこの問題をことさらに大きく取り上げ、先頭に立って口をすぼめて執拗に追求してきた自分達の行状を一瞬にして忘れてしまったのか、当日夜の『報道ステーション』でも冒頭からAKB48、八王子の雪、木嶋佳苗と延々続けた後に小トピック扱いでサラッと触れただけで済ましたかと思うと、夕刊記事の自己矛盾を早速日刊ゲンダイに突っ込まれたのを気に病んだ訳でもあるまいが、得意の社説では何日経っても全然この裁判に触れなかった。

そこに突然の23日、24日と二日にまたがる小沢一郎単独インタビュー記事の掲載となるわけであるが、このクズマスコミのなかでももっとも狡猾で自己保身術に長けた朝日新聞の振舞いについては、すでに天木直人氏をはじめ多くの方が反応して的確なコメントを発しているので、ここでは敢えて視線を180度反転して、この朝日とは名ばかりの暗黒新聞に突然朝日(小沢一郎の事です)が昇ったかのような現象と実に正しく対称を成す、丁度一週間前の出来事に、時計の針を戻してみようかと思う。


渋谷区神南二丁目の夕日


映画『三丁目の夕日』には吉行淳之介の名をもじった少年が登場してくるそうだが、作家の故・吉行淳之介は10代の頃、スタンダールの『赤と黒』を経済学の本だと思い込んでいたそうである。しかしその無学でお間抜けな若き吉行少年とても、国家の財政「赤」字の増大を今にも国民生活を破滅に導くモンスターのように吹聴し続け、しかもその対処策には消費増税で当然という昨今の政府及びマスコミ言論界の厚顔無恥なるお粗末な経済論議には、さすがに首をかしげるだろう。

もとより『“原色”の街』を好んだ彼の性向から考えると、あるいは“洗脳”というバイアスのかかった言論空間に人一倍敏感であったであろう(かつての)作家という人種達の持つ天性の勘からしても、財政赤字を諸悪の根源の悪魔のように言い募るヤカラに対しては、“王様は裸だ!”と叫んだあの少年のように、敢えてこう反駁するのではないか。

“財政黒字こそ国民を不幸にする!”

実際国家の財政赤字が幾らであろうと、対GDP比何パーセントであろうと、そのこと自体にほとんど意味は無い。1997年の韓国やタイ、あるいは2001年のアルゼンチンや2002年のウルグアイ、2008年のアイスランドなど、通貨危機や財政破綻(デフォルト)に陥った国の共通点とは、政府や民間が過大な「対外外貨建て債務」を抱えていたことにあり、今の日本にそうした問題は無い。

政府・民間の対外外貨建て債務が過大であった場合には、何らかの要因で通貨が急落した時などに一気に実質的な債務額が膨れ上がってしまうので、返済不能に陥る危険性が有るからだが、自国通貨建て国債をしかもほとんど国内資産で(95%超)賄っている日本国債は、今世界で最も安全な国債であることは、その市場金利が証明している。人類の歴史上、自国通貨建ての対内債務でデフォルトを起こした国など無いのである。

現在進行のギリシャの危機も事情は同じである。ギリシャはユーロという対外“外貨”(正確には“共通通貨”だが、実質的には同じ事である)建て債務の債務不履行という事態に追い込まれているわけであり、「日本も消費増税しないとギリシャになる」などと言っている人には、「日本はEUに加盟しているのか?」と聞き返そう。

ちなみに上に挙げた韓国・タイ・アルゼンチン・ウルグアイ・アイスランドの危機前年の公的債務対GDP比はそれぞれ約12%、16%、45%、58%、53%で、今の日本よりはるかに低い。アイスランドの場合で言うと政府の金融資産の対GDP比は54%。つまり差引きの金融資産(金融純資産)がプラスの状況でも破綻しているのであり、これだけ見ても公的債務の対GDPを国際比較して「日本はもうヤバイ、ヤバイ」と報じ続けるマスメディアの言論の白々しい無意味さが分かる。

もう一度繰り返すが、政府の負債が一千兆円を超えようが、その数字だけを取り出して云々することには、何の意味も無い。国債のほとんど大部分を保有しているのは国内の金融機関であり、その金融機関の購入資金の出処は国民の預金なのであるから、国の実質的債権者は国民であると言ってよく、政府の借金の絶対額がいくら大きくなろうが、国全体としては差引きゼロの話である。スタンダールの『赤と黒』より明々白々な、今更説明するのもあほらしい話である。

事実1990年から2009年までのあいだの推移データで、一般政府(中央政府、地方自治体、社会保障基金)の金融純資産が474兆円のマイナスに対し、家計と企業・NPOを併せた一般政府以外の金融純資産は671兆円の増加。政府の負債の増加がそのまま民間の純資産の増加とリンクしているのである。差額の197兆円は国全体での対外純資産が増加した事を意味する。

こうした基本概念を一切無視して「国の借金(政府の負債だろ)一千兆円、国民一人当たり八00万円!」などと意味不明の事を喚いていたのは、ただただ消費税を上げたいだけの財務省と、その走狗であるクズマスメディアの悪質な国民騙しの詐欺商法に他ならないことは、すでに多くの国民の共通認識となりつつあるが、未だに詐欺を信じてしまっている人もいるので、早くおじいちゃんやおばあちゃんに教えてあげよう。(ちなみに政府には当然資産もある。しかもかなりの額。)

少々留意しておかなればならないのは、こうした政府筋の流すホラ話に便乗して気弱で善良な国民や馬鹿な銀行の不安を煽り、国債のカラ売りを仕掛けて一儲けしようという国際金融ヘッジファンド筋のハゲタカどもの存在である。事実そういう連中の息のかかった金融アナリストやら証券アナリスト、ベストセラー作家といった類の輩が常にそこかしこにうろついているので、見つけたら笑ってやろう。

変形して悪魔化した資本主義のエートスが、われわれの望むのとは反対の方向で、現行秩序の崩壊を企てている。こうした陰謀めいた魑魅魍魎(ちみもうりょう)の跋扈を許している点でも、財務官僚と、彼らの御託宣をそのままオウムのように方々で垂れ流しているマスコミ・国会議員らは罪深い。



以上、そもそも政府の前提としている話が大ウソばかりなので話にならないが、あきれてばかりいるわけにも行かないので、気を取り直してそれでは何故このような状況、つまり政府の負債の増加傾向と民間の資産増加傾向が90年以降長年続いているのかを検証すれば、それは勿論バブル崩壊以降当然の理として民間の投資需要が低下している状況下、本来なら積極財政に転じなければならなかった政府がその間ほぼずっと緊縮財政を続けてきた為に、結果デフレ(持続的需要不足→物価下落)が進行し続けているからだ。

デフレが進行すれば実質金利(=名目金利-インフレ率)が上昇するので、民間企業の投資需要はさらに低下(カネがあっても使わない・負債の返済にまわす・もちろん人件費は真っ先に減らす)→家計の所得・消費もさらに低下→物価もさらに低下。その結果国内全体の経済が縮小し、政府の税収も落ち込むという道理である。

現状金融政策にあまり多くを望めない以上、この負のスパイラルから脱するには政府が積極財政に転ずるよりないというのは、大学初年度の一般教養レベルで教わる経済学の常識だと思うのだが、よりによってその真逆の、経済をより減速させるのが明らかな消費増税などという破壊的な恐ろしい政策を押し進めようとしている。この経済状況下でそんな事をしても税収は増えない。

彼に限らないが、岡田克也などは消費増税すれば将来の社会保障に安心感が生まれ経済が好転するなどと大真面目な顔をして言うので、まともな思考力を保っている人ほど、連日の報道を見ていると頭がオカシクなってしまいそうな気がするだろう。オレもすっかりブログを更新する気力が失せかけてしまった(笑)。とにかく消費増税論はTPP推進論以上に次から次と妙ちくりんな珍説を打ち立ててくるので、その数を列挙するだけで頭が疲れてくるほどだ。

国の財政を好転したいのなら今消費増税してはならない。カネは天下のまわりモノであり、そのなかの政府の財政だけ抜き出して税収増の皮算用をしている今の政府の様は、たとえるならヒトの体から心臓だけ抜き出して培養液に保存し、悦に入っているマッド・サイエンティストの類である。その時循環ポンプを奪われた本体の方は死んでいる。吉行少年なら「財政黒字こそ国民を不幸にする!」と言うだろうと述べたのは、そうした状況を言い当てての事なのであり、無垢なる少年の告発は時として真実を衝く。



対談の名手と言われた吉行淳之介は、相手が女である場合など、わざと穴の開いた服を着て行ったりなどしたそうである。つまりはそれに対する相手の反応を見ながら楽しむとともに、対談の場に任意のハプニング性、偶発性を持ち込んで有意義なものにしようとした彼流の流儀なのであるが、その反対に始めから最後まで馴れ合いのシナリオに沿って進行するような対談などは、最早対談とは言えないし、ただの八百長である。

小沢裁判における重大な展開があったその2月17日に、NHK「ニュースウォッチ9」は同日増税大綱を見切り閣議決定した野田佳彦首相をゲストに、冒頭から他のニュースそっちのけで40分ほども大越健介キャスターとの対論を放送した。

のっけから大越は消費増税を「国民は頭では(必要だと)分かっているが、心がなかなか附いて行かない」と何度も前置きして議論を進める。これはヒドイ。露骨な国民誘導だ。これで有意義な対論になるわけがない。

「頭で分かっている」から反対しているのである。「心がなかなか附いて行かない」というのは、要するに公務員給与の一定期間の削減とか、議員定数の見直しとか、真の行政改革の本丸(中央集権官僚機構の解体)からずれた“身を切る”政策に努力している姿勢を見せたら、国民も増税に納得するだろう、するべきだとの、論点ずらし・問題矮小化の文脈に落とし込む論法である。

「わたしの妻も(消費増税は)しょうがないわよね、とは言うんですが」(大越)
お前のゴリラ女房の意見など国民にとってはどうでもいい。

“あとは流れで・・・”。一事が万事この調子だから、財務省ポチの両横綱・首相/野田佳彦とNHK/ニュースウォッチ9の八百長相撲は、視聴者にとってはまったく無駄な40分、許し難い公共電波の悪用無駄遣いであった。お互いに「待ったなし」「待ったなし」とおまじないのように繰り返す。確かに気の抜けた八百長相撲に「待った」は無いだろう。

ネットで検索してみても、この時のニュースウォッチ9の放送を取り上げた記事はあまり多くないようである。公共放送の自分の立場を転倒したあまりの厚顔無恥なる破廉恥さ・馬鹿馬鹿しさに「あきれてものも言えない」というのが、国民の大部分の正直な感想だったのだとと思う。

元々代表選決選投票直前の前代未聞の“虚偽報道”騒動によって、NHKが誕生させたような野田佳彦総理大臣である。菅内閣が朝日新聞八百長政権なら、野田内閣はNHK八百長政権であったことを、国民があらためて再確認する為の40分であったに過ぎない。

ズボンの穴的効果を狙ったつもりであろうか、対談の後半、野田が最近お気に入りの『三丁目の夕日』の映像が挿入された。映画に描かれた高度成長黎明期の社会のような、皆がより良い明日に希望を抱ける、中間層に手厚い社会を目指したいという上っ面だけの美辞麗句を並べた白々しいプロパガンダを右から左に聞き流した後で、オレとしてはこの日の対談全体に、まったく別の印象を持たざるを得ない。

オレの少年時代、父親が毎号『ビッグコミックオリジナル』を買って来ていたので、原作漫画の『三丁目の夕日』も暇な時に斜め読みしていたが、原作の“夕日”は「ALWAYS-いつもそこには夕日があった」などというイージーなメッセージ性の“夕日”などではなく、突然犬が人間の言葉を喋り出したりというような、日が沈み、辺りが次第に薄暗くなる頃合い、怪しいもののけ達の気配が何処からか湧き上がって来て徘徊し始める、<トワイライト・ゾーン>の“夕日”であったと、子供心に記憶している。

八百長政権の落日というものも、そのような<トワイライト・ゾーン>への陥落を、あるいは意味するのではないか。ズボンの穴どころではない、深遠なる暗闇の穴ぼこが、彼らの前に口を開けて待っていることだろう。


(ちなみに日本で一番対談が下手なのは、黒柳徹子だという説も有る。)



首相動画、見てもらえません・・・閲覧たった300
  読売オンライン 2/23

動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開している、野田首相が社会保障・税一体改革に向けた決意を語るビデオメッセージの閲覧数が伸び悩んでいる。

メッセージは17日から内閣広報室が公開したが、22日夕までに閲覧数は300回に届かず、政府関係者は「もう少し多くの人に見てもらえれば」と語っている。

首相は近くラジオでもメッセージを発信する予定だ。


・・・かたや300、一方同じYou Tubeの「シロアリ」演説は30万超(このマニュフェスト破りだけでも充分ヒドイ嘘である)。マスメディアの世論調査はサバ読んでいるだろう、300対30万、これが真っ当な国民の評価だ。「社会保障と税の一体改革」というまるきり出鱈目の嘘っぱち、国民にはもうバレバレである。


P.S. 先日コメントいただいたMさん、どうもありがとうございます。こちらからそちらの携帯へはメール送信不可のようです。最近は更新が滞り気味ですが、マイペースで続けていこうかと思っていますので、これからも時々覗きに来て下さい。宜しく。


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