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2011年4月21日 (木)

荒れ野に飛び交う声の主は?


キリストは40日間荒れ野を彷徨った後、悪魔の誘惑を克服したらしいが、未曾有の核反応生成物が大気中に大量に撒布され続ける「荒れ野」の状況が、もうかれこれ40日ほどになるにも拘らず、わが同胞日本人は、まだ悪夢から目覚める心の準備には至っていないようだ。


今月初めの読売新聞に続き、16,17日の両日朝日新聞が行った電話世論調査についても、同様な結果が表れたとの事だ。

◆日本の原子力発電は、今後、どうしたらよいと思いますか。(択一)

 増やすほうがよい   5

 現状程度にとどめる 51

 減らすほうがよい  30

 やめるべきだ    11

◆震災復興の財源にあてるため、増税することに賛成ですか。反対ですか。

 賛成 59      反対 31

◆震災復興の主な財源にするのは増税がよいと思いますか。国の借金である国債がよいと思いますか。

 増税がよい 48  国債がよい 25


この震災の発生する何年も前から、NHKを初め各報道機関を通じて喧伝されてきた財務省発の「財政危機」 「財政再建」“神話 ”は、国民になるほどよく浸透しているようである。この福島原発の事故が起こるまで、皆が経産省・文科省発の「原発安全」“神話”を信じ込まされてきたのと、まったく同じ構図だ。

復興構想会議の初会合後の記者会見で議長の五百旗頭(いおきべ)真防衛大学長は何はともあれという感じで「震災復興税」をぶち上げるし、政府は二次補正予算案として「復興再生債」の発行を検討し、消費税率を3年程度、3%ほど引き上げてその分の償還に当てる案を検討しているという。何のことは無い、要するに「復興再生」という美辞麗句の名の下における、単なる消費増税ではないか。

荒れ野に彷徨う民の耳元で、囁きかける声が益々かまびすしい。しかし甘い美辞麗句に釣られてうっかり彼等の誘いに乗った後に見い出すのは、身ぐるみ剥がされて荒野に取り残された、自分自身の哀れな姿であろう。彼等は高みの見物である。


その
<悪魔の囁き>は、次のような具合だ。

      震災対策予算 復興に増税はやむを得ない
   (4月20日付・読売社説)


 国難とも言える震災から復活し、日本の再生を目指す。その費用は、国民全体で負担することが肝要である。

東日本大震災の被害額は政府推計で最大25兆円に上り、復興に必要な財政支出は10兆円を超えるとみられている。その財源をどう確保するか。

5兆円の資金を投じた阪神大震災では、大半を国債発行でしのいだが、財政事情は当時より悪化している。これ以上、野放図な国債増発に頼ることはできない。

震災対策は最優先の国家事業である。震災復興に特化した「復興税」という時限的な増税で財源を手当てするのはやむを得まい。各種世論調査を見ても、増税を容認すると回答した人は、全体の6割~7割に及んでいる。

政府は、本格的な復興事業を盛り込む2011年度第2次補正予算案の編成作業で、復興税の内容を詰め、具体化を図るべきだ。

ただ、それには条件がある。

まず、11年度本予算の歳出を削減し、復興予算に回すことだ。子ども手当などのバラマキ予算を見直さねばならない。そこに手を着けず、安易な増税に頼れば、国民の理解は得られないだろう。そのうえで、臨時増税の必要性を丁寧に説明すべきだ。

復興に必要な資金は、特別な国債を発行して賄い、返済に復興税を使う。普通の国債と違い、返済財源を確保しておくことで、負担を将来に回さないようにする。復興税の導入時期は、景気動向をにらみつつ決める。この仕組みを一般会計と別扱いにすれば、負担した税金が復興に使われたかどうかをチェックでき、国民も納得しやすいだろう。

問題はどの税を使うかだ。所得税、法人税を一定期間引き上げる方法は負担する層が偏るうえ、大幅な税収増は期待できない。消費税は1%の引き上げで2・5兆円の税収が見込めるものの、全国一律で課税するため、被災地でも負担増となる。一長一短だが、広く薄く負担して支援するという復興税の目的を考えれば、消費税を中心に検討することになるのではないか。

社会保障の安定財源確保に向けた消費税引き上げの重要性は、震災後も変わっていない。与野党は、復興税を検討するうえで、税と社会保障の一体改革とどう両立させるかという観点も忘れてはならない。(了)



デフレ不況と震災・原発事故打撃を受けた経済に、増税の追いムチでどんな未来が有ると言うのか?高額所得者への累進課税強化ならいざ知らず、政府の画策しているのは“恒久的な”消費税の増税である。一度上がった税率をみすみす下げたりはしない。

いまこそ、休眠していた資産を活用する時ではないか?消費増税優先となれば、その本分は、官も民もひたすら資産をストックするのに御執心との意であり、荒れ野がどんなに朽ち果てようと、それぞれに我関せず、経済は一層停滞となる。しかも大多数の持たざる者までそれに同意しようとしている異常さ。失業率が10%を遥かに超える地獄を味わわないと、或いは目覚めないのか。今でも地方の雇用は酷い。


悪魔は「停滞」と「静止」とを好み、「循環」と「流動」とを憎む。それが大昔から変わらない、悪魔というものの本質であり、正体である。

一方この世界は生と死の循環と、流動する知性から成り立っていて、そのなかでこそオレ達は生き生きと呼吸することが出来るのだ。悪魔にとって住みよい世界に、オレ達の場所は無い。

悪魔の得意技が詭弁(詭弁は人をして思考の静止状態にいざなう)で、趣味が蓄財(蓄財は勿論富の流動を阻害する)であるということも、古今東西変わらぬ事実だ。財務省と日銀は、いつの頃からか人の心を失った悪魔と化して久しいようだが、その三下のペーペー悪魔である菅や岡田や野田や玄葉や与謝野やそして谷垣や、マスコミ各社が今後も栄えようとするのなら、オレ達はその見返りに居場所を失うことになる。

「国民全体で負担することが肝要である」と言いつつも、前財務事務次官を天下りで社外監査役に迎えている読売新聞などは、新聞を増税の対象外にするという“密約”が無かったとして、同じ事が言えるのだろうか?(“バラマキ”という糞洗脳用語もいい加減聞き飽きたので止めてもらいたい。“ただちに ”健康に害は無い、の“ただちに”よりしょーもない。)

悪魔どもの動きが活発になってきているが、黙って見ている人ばかりではない。春だというのに「もうすぐ北風」さんのブログが精力的だ。植草一秀氏のブログも最近は温厚そうな人柄に似合わず語気を強めた発言が見られる。それだけ一大事なのだ。これ以上官僚に騙されない為にも、荒野に置き去りにされない為にも、失礼して三日分連チャンで転載させてもらい、これからでも遅くは無い、われわれも経済のお勉強をすることとしよう。

「経済あっての財政であり、財政あっての経済ではない。」


(以下、「もうすぐ北風が強くなる」より)

100兆円の余力を持ったまま自殺するのか

 デフレ縮小スパイラル+米国ドルの過剰流動性供給による石油・食糧の投機高騰の嵐+世界に類をみないほどの大震災と大津波+人災といってよい原発事故と放射能汚染。
 大不況が四つ重なってしまった。 

 先行きは猛烈に暗くなっている。
 「半年後、一年後に経済生活はどうなるのか

 こんな中で増税論などを言っている者は、狂気の沙汰である。
 私たちはこんな連中のお陰で、心中などしたくない。
 
 田村秀男氏から引用します。  
 ーーーーーーーーーーーーーーー
今なら大復興まかなう金融余力は十分ある 田村秀男
2011/04/06 16:00

【国際政治経済学入門】第148回
震災復興 100兆円の金融余力生かせ

 政府(内閣府)推計によれば、東日本大震災の被害総額は16兆~25兆円に上る。被害は日を追うごとに表面化して増えるし、福島第1原発関連の被害も勘案していないので、実際の被害は最終的には当初想定の2倍以上を覚悟しなければならないだろう。
 復旧、復興のためには財政資金が何よりも重要で、政府が数次にわたる補正予算で今年度だけで10兆円以上の財政負担を迫られるだろう。
 最終的にはさらにその2倍、3倍も覚悟しなければならない。

 巨額の復興国債発行はどうみても不可避なのだが、菅直人政権は決断できずにいる。
 政府総債務の増大を恐れるためで、政府と民主党内ばかりでなく、自民党内でも増税すべきとの意見が多い。
 経済界でも日本経団連や日本商工会議所の首脳が増税論に賛同している。

 大震災が起きる前までも日本は慢性デフレで物価以上に家計が自由にできる収入(可処分所得)が十数年間も減り続けている。中小企業も収益は減り続けている。
 そんな中で、増税でさらに家計を細らせ、中小企業を圧迫するなら、消費も投資は急激に落ち込む。
 若者は就職できず、失業率はさらに悪化するばかりではない。
 デフレに伴う税収減傾向に拍車がかかり、財政収支悪化が急速に進み、日本は本当の意味で財政破綻しかねない。

 ■関東大震災の教訓
 1923年9月1日に起きた「関東大震災」時はどうだったのか。死者・行方不明者合計で14万2800人にも上る関東大震災の被害総額は当時の円表示で50億~100億円に上るとされる。
 当時の日本の国民総生産(GNP)は百六十数億円(卸売物価比較からみた現在価値はその約500倍として8兆数千億円)程度だったので、全経済規模の3割前後から6割超相当の被害を受けたことになる。
 東日本大震災の被害を内閣府推定最大値だと仮定しても、約5%だし、その2倍としても10%程度である。それほど、現在の日本の経済規模は大きい。

 関東大震災復興のため、当時の山本権兵衛内閣の後藤新平内相、井上準之助蔵相は復興公債(「震災善後処理公債」)発行に踏み切った。当初計画は4億6850万円だったが、24年には限度を10億7300万円に拡大した。

 国内には金融余力は乏しく、巨額の外債発行に依存するより他なかった。
 内国債2億7700万円、5%金利国庫債券2418万円を調達したが、6.5%金利の米ドル建て公債1億5000万ドル(約3億円)、6%金利付き英国ポンド債2500万ポンド(約2億4400万円)を起債した。金利は国内債を大幅に上回っているうえに、

 米金融大手のモルガン商会(現在のJPモルガン・チェース)などへの手数料払いなどで日本側の手元に残ったのは発行総額の86%、4億6600万円にとどまった。
 しかも、翌年に期限が迫っていた日露戦費のための英ポンド債3億6600万円償還に割り当てるしかなく、震災復興にはわずか9900万円しか充当できなかった。

 このほか、震災のため決済が困難になった銀行保有の手形を日銀が特別に引き受けた(厳密には再割引と言う)「震災手形」は4億3082万円に上った。

 当時、日本は対外借金国であるうえに、国内貯蓄は貧弱だったので、対外的には屈辱的な条件で外債を起債し、国内では巨額の不良債権を日銀が抱え込んだ。
 復興需要にもかかわらず、日本の実質経済成長率は低迷した。結局28年3月には震災手形問題が爆発して金融恐慌が勃発、翌年にはニューヨーク株価大暴落をきっかけとする大恐慌に遭遇した。大不況を背景に軍部が台頭し、31年9月の「満州事変」以来、日本は日中戦争の泥沼にはまっていく。

 ■増税は自殺行為
 われわれがまず認識すべきは、関東大震災時に比べ、現代は十分な金融余力があることだ。
 日本は世界最大の債権国で、対外純債権額は官民合計で270兆円に上る。
 このうち、政府は100兆円余りの米国債を外貨準備として保有している。

 政府は米国債を購入するに当たり、政府短期証券と呼ばれる短期国債の一種を発行し、国内の貯蓄を吸い上げている。
 この短期証券を日銀が民間金融機関から買い上げて資金を流し込む。
 政府は新たに創出された日銀資金相当額の長期国債を発行すれば、最大限で100兆円の復興国債を難なく調達できる。

 この場合、財政法で禁じ手とされる日銀の国債直接引き受けに頼らずに済み、円や日本国債の信認は揺らぐことはない。日本は悠然と巨額の復興資金を国内社会経済再生に振り向けることが可能なのだ。

 政府がそうせずに、増税に頼って消費や投資、生産を縮小させるようなまねをすれば、金融負担に苦しんだ関東大震災後の日本のように復興に手間取るどころか、経済社会全体を落ち込ませ、閉塞(へいそく)状況を深刻化させるだろう。
 繰り返す。増税は日本の自殺行為である。



これからの経済生活はどうなるのか

 世界的な物価高騰を受けて、デフレを脱却できない状態の日本はどうなるのか。
 震災前の3/4に「デフレ脱却できないままに食糧・石油が高騰してくる」と3/7に「始まる価格高騰はコスト転嫁できず倒産と需要減少」を書きました。

 その後、震災と大津波、人災の原発事故により、東北の工業破壊と低平坦地の農業壊滅。加えて原発の放射能汚染が進んでいます。
 これを踏まえて、4/11に「半年後、一年後に経済生活はどうなるのか」を書きました。

 しかし、この文章は前の3/7の文をそのままにして、段落毎に「補足」を付けたスタイルで解りにくく、意味が不明瞭な部分もありました。
 書きなおすことにしました。改訂版です。

 これからの経済生活はどうなるのか。

 我々にいま見えている範囲の中ではあるが、はっきりできることははっきりしなければならない。

o 震災と原発事故がなかったら経済状況はどうなっていたのか
 
 アメリカの金融緩和による過剰な流動性供給が、世界的なインフレを招いている。「ドルのインフレ政策」。
 実体経済の資金需要が無いところに供給された資金は、所詮は投機市場に回っている。「日米の2011年」。
 石油と食糧の高騰が途上国の国民を襲っている。「遂に親米政権との闘いが始まった」、「途上国を襲うインフレと食糧危機

 ドルの大増刷が途上国の騒乱を招いている。 
 投機市場について言うならば「市場の強欲が貧困な大衆を襲う」ているのである。

 総じて、基軸通貨の大増刷が、投機経済の現実のなかで、帳簿上の通貨を爆発させてしまっていると言って良い。
 インフレの大波である。

 日本はマスコミの誘導と政府・日銀の無策によって、デフレ脱却しないままで、世界通貨戦争=ドルの過剰な流動性供給による商品価格高騰を受けることになってしまった。

 政治がどう激変しても、仮に強力な政治主導政権が現れても、一年やそこらでデフレ脱却はできない。
 つまり、この16年間、消費と投資の国内有効需要が緩やかに縮小循環を続けている状態で、国家、企業、家計がコストの高騰に見舞われると言う状況。
 つまり、原材料、労働、生産、輸送、流通の各段階すべてに波及する。
 高騰の波は石油、食糧、素材農産物、一般鉱産資源にわたっているので、そのコストはほぼ全産業が増大する。
 
 問題は経済活動全般にわたるコスト上昇をどの段階が吸収させられるかである。
 デフレでなく、通常の緩やかなディスインフレ経済ならば、このコストは最終消費に吸収され、例えば8%の物価上昇を生む。
 そして、8%前後の賃金総額の上昇によって賄われて、拡大再生産の循環に載せることが可能である。もちろんインフレ期待値も8%程度となり、その程度+aが貸出金利となる。

 だが、日本の現状はデフレで、こうした循環機能を失っている。
 失っているから縮小循環のデフレが続いているのであるから。
 従って、全般的コスト上昇分は、どこかに無理やり吸収させられることにならざるを得ない。

 デフレ不況の進行により、2009年の民間給与は5.5%減少しており、2010年はおそらくさらに下回るだろう。
 従って内需の大半を占める最終消費は、相応に減少する。
 小売価格へのコスト転嫁は非常に困難となり、零細な農業漁業は放置すれば崩壊する。
 売値に転嫁可能なのは、寡占カルテル状態の石油関係と一般鉱産資源だ。

 上記以外の産業は、ほぼ流通過程での吸収とならざるを得ないため、零細中小の企業淘汰が加速するとみなければならない。
 生活全般への影響
 倒産と失業率の上昇、雇用形態の悪化と賃金総額の下降が加速、石油関係と公共料金の上昇、物価は数%上昇。
 国内消費需要と設備投資の底抜け、デフレ恐慌の可能性。

o 震災と津波の被害、そして放射能汚染の拡大により、何がどう変わるのか

 世界で変わった事
 中東反政府デモが各地で進展。同時にリビアの膠着と米国の停滞。
 ポルトガル破綻による、ヨーロッパの財政困難。
 日本の震災と原発事故による機械部品材料の枯渇。

 日本では
 デフレ縮小スパイラルの悪化
 米国ドルの過剰流動性供給による石油・食糧の投機高騰の嵐
 世界に類をみないほどの大震災と大津波
 人災といってよい原発事故と放射能汚染。 
  
 こうした中で、震災と原発が政府の弱さ、無能さをさらに赤裸々に暴いた。つまり大胆な政治指導は全く期待できないと言うことだ。
 当初、震災と津波の被害により、国民総生産のは6%減少とみられていた。
 しかし、ひと月たっても、まだ仙台市すら燃料が行き渡っていない。物流も製造も運転できない。水産は船が喪失損傷し、港湾も損傷。

 農業は生産性の高い低地が壊滅した。各種工業製品とその部品部材は工場設備の精密工程が震災しており、容易に再調整できるものではない。
 端的には最優先の仮設住宅の部品資材が欠乏してしまったのである。
 被害は全国の製造と物流に波及しているのである。
  
 精密な分析は政府が来年くらいに出すだろう。今必要な大雑把な推測は、国民総生産の10%くらいが損傷していると言うことだ。
 総賃金は10%近くダウンするかも知れない。つまり、10%の生産減少は、相応する失業に結果するからである。
 
 震災と大津波は甚大な被害であるが、政府がしっかりしていれば復旧、復興という過程を迎えるだろう。無能政府なら遅くなる。
 賄い切れない負の側面は、原発の被害、放射能である。
 既に、原発近くの古鉄金属は納品拒否されている。

 すでに、海外では日本の食品はもとより、工業製品のボイコットが始まっている。出来上がった製品の中のビスひとつでも微量な放射線が測定されたら、いくら微量でも人は買わない、いちいち測定はコスト倒れだから輸入しないし、こちらは売れなければ生産できない。
 日本は決して輸出依存経済ではないが、輸出の大部分を占める機械部品部材材料などの資本財には大きな「風評被害」がかかってくるとみなければならないだろう。
 
 加工食品、農産品、水産品は言わずもがなである。国内でも西日本では東北関東産は売れないだろうし、だから生産できなくなる。
 従って、日本は物流する「物」すべてにおいて生産をダウンせざるを得ないだろう。
 観光は外からは来る者なく、出るものは相手国の入国審査で放射線検査になっている。

 だから、10%は甘い。想像もできないが放置するなら10数%の生産減少を招くと考える。
 これは、さらに倒産と失業を加速する。
 生産供給が減少するのだが、同時に需要も大幅に減少するので、結果は正しくデフレ恐慌と言ってよいだろう。

 本当は、無能でない政府ならやれること。
 100兆円の復興資金を日銀調達し、復興事業と社会救済にあて、デフレ恐慌をゆっくりでも成長経済に戻すこと。
 それによって国内需要を確保し、損しかしない円安から、海外調達に有利な円高にすることだ。

 追記
 年度末くらいから景気回復すると言う論調が、マスコミに多いようですが、一昨年の政権交代、震災原発報道を考えると、また御用学者に御用評論家か..........と思うのは私だけでしょうかね。



植草:11年度消費税大増税悪魔構想が浮上

 我が国のマクロ経済学の雄。
 小泉・竹中の経済政策を完璧に批判していた只中に冤罪(軽犯)をでっち上げられて、学会生命を抹殺された。
 書籍、論文は別として、氏のブログは社会・政治関係が多いのですが、珍しく話が経済政策の根幹に及んでいました。 
 植草一秀氏「知られざる真実」から引用します。

011年4月19日 (火)
ついに2011年度消費税大増税悪魔構想が浮上

 未曾有の天災と人災に襲われた日本。いま政府が直ちに為すべきことは国民生活の防衛である。津波によって生活を支えるインフラ、生活を支える住居、生活を支える仕事が、一気に呑み込まれてしまった。
 
 国民生活を支援するには資金が必要だ。一方、その膨大な政府支出を賄う資金は、直ちには国民からは入らない。この局面で、短期の財政収支が赤字になることは火を見るよりも明らかだ。
 
 財政には、もともと「ビルトイン・スタビライザー」と呼ばれる自動調整機能が備わっている。とりわけ、税収における所得税や法人税のウエイトが高くなるとこの機能は強まる。
 
 景気が落ち込むと生活保護などの社会保障支出が増える。他方、税収は大幅に減少する。結果、財政赤字が拡大するが、この財政赤字拡大が景気を支える効果を持つ。つまり、景気悪化時には財政赤字が拡大することが望ましいわけである。好況期にはその逆になる。
 
 2011年、日本経済の悪化は甚大になる。いまはまだその実感が日本全体に広がっていないが、製造業も非製造業も生産活動の大幅低下に直面するから、経済活動は確実に大幅低下する。
 
 被災地の生活は極めて厳しい状況下に置かれる。とりわけ、雇用の不足は被災者の生活不安を一段と強めることになるに違いない。このような局面こそ、政府の役割は大きいのである。政府が巨大な事業を実施して、政府が大きな雇用を生み出すことが大事なのである。
 
 ところが、菅-岡田-仙谷-枝野-野田-枝野-前原体制が仕切るマクロ経済政策運営には、まったく血が通っていない。完全に財務省の冷血政策に支配されている。
 
 ガソリン価格が上昇した局面では、ガソリン暫定税率を免除するとの規定も、何の論議もなく反故にされる。ガソリンは被災地の生活にとっても必需品である。ガソリン価格が高騰すれば、被災者の生活にも重大な影響を与える。しかし、何よりも政府の財政収支を悪化させるものは許されないのだ。 
 
 この菅-岡田冷血体制は、未曾有の大震災で国民生活が存亡危急の危機に直面している、そのタイミングを悪用して、財務省のかねてよりの念願である消費税大増税に突き進むという、悪魔の政策運営に突進し始めた。
 
 1995年1月17日に阪神淡路の大震災が発生した。1995年前半、日本経済はこの地震に加えて、円高、サリン事件が重なり、株価は7月の14,485円まで暴落した。株価が上昇に転じたのは、日本銀行が7月と9月に利下げを実施し、村山政権が9月に14兆円の景気対策を決定したことを受けた7月だった。
 
 財政金融政策を総動員した結果、1996年6月には日経平均株価が22,666円にまで反発し、日本経済も回復基調に回帰した。
 
 ところが、橋本政権が96年6月25日に消費税引き上げ方針を閣議決定すると、株価は翌日の6月26日をピークに下落に転じ、98年10月の12,879円へと暴落していった。

 今回の菅-岡田体制は、95年の対応よりもはるかに拙劣である。政策を総動員せずに、大増税に突き進むというのだ。日本経済は確実に崩壊する。日経平均株価は7000円割れの水準にさらに下落することになるだろう。詳しくは『金利・為替・株価特報』2011年4月22日号をご高覧賜りたい。
 
 菅-岡田体制の財政運営は根本が間違っているのだ。財政は財務省の利権のために存在するのではない。国民の幸福のために存在するのだ。財政再建は大事だが、そのために国民を不幸にするのでは元も子もない。
 
 財政再建を進めるには、まず、官僚利権を切ることが先決なのだ。岡田克也氏も経産官僚出身で、官僚利権を切ることに完全に背を向けている。国民が増税に応じないのは、政府が官僚利権を切らずに温存し続けようとしているからなのだ。
 
 また、財政を立て直すには、絶対に経済を健全にすることが不可欠なのだ。財政というのは、経済が生み出す果実を元手に行う活動である。肝心要の経済活動という幹を枯れさせてしまえば、経済が生み出す果実は少なくなり、財政活動が窮地に追い込まれるのは当然なのだ。
 
「経済あっての財政であり、財政あっての経済ではない」
 
 回り道に見えるかもしれないが、経済という樹、幹をしっかりと育てることが財政再建への近道なのだ。
 
 菅-岡田体制は、2011年度の第2次補正予算で消費税を3%ポイント引き上げる案を提示し始めている。しかし、この方向で政策運営を進展させるなら、100%失敗に終わるだろう。失敗の意味は、国民生活が破壊されるという意味である。
 
 財務省は消費税増税を実現できるなら、国民生活が破壊されようと、日本経済が破壊されようと構わないというスタンスだから、財務省にとっての失敗にはならないだろうが、国民は間違いなく地獄に突き落とされる。国民はこのことをよく理解したうえで、政府提案を受け止める必要がある。
 
 そのうえで増税を選択するなら、国民は国民生活が破壊されても文句を言えない。



どこの世界に!大災害下で増税に走る政治があるか。

 デフレ循環が加速してきた日本に、国際商品価格高騰の嵐。
 そこにに大震災と放射能汚染が致命的な需要の減退と生産の縮小をもたらす。
 日本は輸出依存経済ではないとは言え、資本財の機械部材部品の輸出減少が見込まれる。

 政治がこの状況を無策で放置するなら「これからの経済生活はどうなるのか」に書いたようになるだろう。
 このデフレ恐慌に向かおうとしている現状のなかで、思い切ったな財政出動で復興を図るのではなく、「非常時に増税の愚」を進めようとしている。
 
 長年にわたってケチだけ身についた人の中には、お金を実物資産とはき違えて、紙幣を貯めこみ、使わないで身動きできない人がいる。

 こういう人は通貨が流通価値しか無いことに気づかず、実物の価値が無いのに、何かしら「限りある資源」ではあるまいに通貨の量を有限と考えているようだ。
 お金の生産者が、お金を借りるとか、返すとか、この言い方自体が、一種の擬態であろう。

 誤解と妄想にとらわれて、大胆な国債発行を否定し、応急復旧がやっとの怖気付いたような財政では、この国の国民経済は壊滅する。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 
 田村氏から引用します。

復興を阻む「復興税」、円高デフレも誘発 田村秀男
2011/04/19 07:23

絶対安全神話の原発政策ばかりではない。なぜか日本では世界の常識が非常識になる。官製の情報に「政治主導」の 政権が依存し、メディアは自らの不見識を自覚しないからだろうか。
それとも、自由で独立した思考力が衰退したせいなのか。
以下、拙コラムで問う。政官学の「英知」の貧困さを。
だから、民は貯蓄に励み、身を守る。それをみる投機家たちは日本円を買う。

2011.4.19  産経新聞朝刊 「経済が告げる」から
増税こそが復興を阻む

 東日本大震災の復興財源問題で、増税論が幅をきかせている。菅直人首相は「復興構想会議」の五百旗頭(いおきべ)真議長に「国民全員の負担が必要」と言わせ、「復興税」で谷垣禎一・自民党総裁を抱き込もうとする。財務官僚の意をくむ学者は「連帯の証しだ」と説いて、消費税増税を勧める。が、だまされてはいけない。

 増税はデフレ病に悩む日本経済をさらに萎縮させ、結局は復興と再生を阻む。そもそも大災厄下で真っ先に増税に走る政治指導者が世界のどこにいるのだろうか。

 増税論者がよく引き合いに出すのは、1990年に東西統一したドイツが91年に導入した「連帯税」だ。この増税を財源にして旧西独が旧東独を支援したが、当時のドイツと今の日本には決定的な違いがある。統合前夜の西独は物価がなだらかに上昇し、国内総生産(GDP)は着実に拡大していた。統合後、増税しても家計に残る収入(可処分所得)は増え続けていった。

 一方、日本は97年から始まったデフレが2008年9月のリーマン・ショック後加速し、所得もGDPの実額も縮小している。増税は細る家計をさらに細らせる。

 もとより「困難を分かち合う」という精神は、世界からも称賛されている日本人の美徳である。だれでも同意こそすれ、異論をはさまない。そんな勤勉な国民性につけ込んで、政府が家計から富を奪う。民間は確実に疲弊しよう。

 すでに消費者の間では自粛ムードが蔓延(まんえん)し、百貨店やスーパーなどの売り上げは低迷している。客足が半減した東京下町の商店街もある。サラリーマンは夜の飲食を控え、家族は週末の外出をためらう。需要の減退で企業は増産や設備投資に慎重になるだろう。若者の雇用機会はさらに減る。経済規模が縮小すると所得・法人税収は減るので、財政収支は悪化する。財源は枯渇、さらなる増税という悪循環にはまる。

 増税ムードはもう一つ、やっかいな負の副産物をもたらす。円高である。日本は対外純債権270兆円、世界最大の債権国である。失われた資産はドル資産売却で楽々と埋められる。政府総債務はGDPの2倍もあるが、ギリシャ、スペイン、ポルトガルなど欧州の問題債務国と違って、国債の95%を国内貯蓄で支えている。おまけに増税まで繰り出す。

 だから、円や日本国債の国際信用は高い。対照的に、米国はお札を刷って財政や金融を後押しするインフレ政策をとっている。増税というデフレ政策で支えられる円の価値は相対的に上がる-と海外の投機筋は読む。震災による設備のダメージや放射能汚染風評被害で日本製品はハンディを背負っている。さらに円高圧力が加われば日本の輸出産業は二重苦、三重苦にあえぐ羽目になる。

 増税なしに莫大(ばくだい)な復興財源をどう創出するのか。鍵は対外債権にある。

 参考例がある。東西ドイツ通貨統合を設計したH・ティートマイヤー西独連銀副総裁(後に独連銀総裁)は当時、「外貨準備こそはわがドイツの予備軍だ」と筆者に語った。余って外に流れ出た貯蓄の一部を政府が運用しているのが外準だ。ドイツがその範囲内でお札を刷って国内に流しても悪性インフレにはならなかった。
 日本は100兆円規模の外準を上限に国債を増発し、日銀が発行額に見合ったお札を刷ればよい。債権国だからこそ財源を容易に創出できるのだ。






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